「もう一度聞くけど……、司先輩のこと、そんなに好きなのか……?」
耳元で囁き、体を少し離す。
ただ、じっとあたしを見てくる。
そんな智也に正直に話そうと心に決めた。
「好き……。大好きっ……」
やっぱり大好きなんだ。
「そっか……」
呟くような智也の声。
「うん……」
もう迷いはない。
「もう一度抱きしめていいか?」
「へっ///」
「そしたらまた幼なじみに戻るからさ」
つらそうに笑う智也の瞳に、あたしが写る。
「うん……」
――ギュッ
「司先輩に泣かされたら言えよ……」
「ふふっ。うん……」
「試合は観に来いよ……。幼なじみとして」
「了解」
「鈴加……」
「ん?」
耳元での会話がくすぐったい。