智也の言っている意味がわからなくて、首を傾げた。
「観に来てほしいんだ。幼なじみとしてじゃなく……彼女として……」
「あっ……」
ギュッと握られている手を、さらに智也が強めた。
「今日一緒に帰ろうって誘ったのは俺に返事をするためだろ?」
「な、なんで……」
わかったの……?
「わかるよ……。バカみたいに鈴加だけを見てきたからさ」
「……っ」
まただ……
また胸が締め付けられる……
「だから、ちゃんともう一度言っておきたくて……」
智也の瞳から目が離せない。
「……鈴加。俺の彼女になってほしい」
「っ……」
迷いのない、強い決意の瞳があたしをとらえる。
その強い瞳に、心がざわつく。
「返事……聞かせて?鈴加」
そうだ……
ちゃんとあたしも返事をしないと。
好きだと言ってくれた智也に……
あたしの精一杯の気持ちを……
「あ、あたしは……智也のことが好きだよ……」
戸惑いながらも……
つまりながらも……必死に伝えた想い。