「あっ、そういえば鈴加さ―……」
「あっ、そうだよ」
その後、城田が話を反らしてくれたおかげで、俺はピンチ?を乗りきった。
マジ危ねぇ―……
「ふぅ―…」と息を吐きながら安堵していると、隣から視線を感じた。
「……なに?」
視線の先には、俺を睨むようにして見ている智也。
「……別に、何でもないです」
いつもの笑顔なんてどこにもなく、冷たくて鋭い瞳を俺に向ける。
な、なんだ……?
不思議に思いながらも、それから視線を合わせることなく、定食を食べ終わった。
「夏樹、俺先に帰っとく」
「は?」
「じゃあまた放課後、な?鈴加」
「っ///」
立ち上がり鈴加の頭を軽くポンポンと撫でて、食べ終わった定食を返却口に持っていこうとした。
「俺も先に教室に帰るよ」
そう言って立ち上がった智也。
もう食べ終わったのかよ……
「じゃあ、先輩。行きましょっか」
「あ、あぁ―…」
智也と一緒に返却口に持っていき、食堂を出た。