身長がそこまで高くない鈴加は、自然に俺のことを上目遣いで見てくる。
まぁ、本人は無自覚なんだろうけど……。
にしても……
チラッともう一度鈴加を見直す。
「……?」
ヤベっ……
俺って意外にこの角度に弱い。
口元を手で覆いながら、鈴加から視線を反らす。
そこらへんの女なら、別に何ともねぇ―のに……
鈴加……だから……?
「な―に、2人の世界に入ってんのかな―?」
は……?
突然俺と鈴加を遮るように、顔をヒョコと出してきた夏樹。
「ちげ―よ」
そう言って冷静に返した。
「ほら、鈴加ちゃんも注文行って来なよ。蘭たち行っちゃったし」
「えっ!?嘘!」
慌て城田たちを追いかけていった鈴加。
「さっ、俺たちは席でも取っとこ」
「あぁ―……」
「っとその前に、その顔、どうにかしろよ?」
ニヤリと笑って、スタスタと席に向かっていってしまった。
……その顔?
ハッとして、また口を押さえた。
……くそっ。
夏樹のバカヤロ……