「司くん……。俺はダテに、何年も司くんの友達を続けてきたわけじゃないよ」
何かを諭すように話す夏樹から、バッと目をそらした。
こいつがこんなしゃべり方をするときは大半、全てがバレている……
「……付き合うことになった」
観念して話すしかない。
「……はい?」
「だっ、だからっ!付き合うことになったんだよ……」
勢いよく切り出したものの、語尾はほとんど消えるような声になっていた。
「それって鈴加ちゃんと……?」
「あ、あぁ―…」
なんかこういう話しって、ガラじゃない。
「ま、マジで……?」
「マジだって!」
もういいから、早くこの話しから解放してくれ。
「えぇぇぇ!!」
――ビクッ
突然叫んだ夏樹に、体が少し跳ねた。
「はっ!?お前が付き合うとか!マジかよっ!しかも相手があの、七村鈴加!?」
何でこいつがパニクるんだよ。
「本気で付き合ってんだよな……」
「あぁ―……」
「じゃなくて、お前は本気で鈴加ちゃんを好きなんだろうな?って聞いてんの」
いつになく、真剣な眼差しの夏樹。
「……本気。ちゃんと本気で鈴加のこと……って、なんだよ」
キラキラした目を向けながら、何かにか期待している様子……