「椎?」


「えっ!?何?」


やば。昔のこと思い出してたら、すっかり仁の話聞いてなかった・・・。



「そこら辺あるく?」



「引越しは?」



「俺の信用できる人がいるから平気」



「へー・・・」



「じゃぁ、いこう?」



「うん」




とりあえず駅のほうに歩き出した。



このむかつくくらいかっこいい仁をちらちら見てくる女の子。



”キャーめっちゃかっこいい!”


”あれ、彼女?彼女もめっちゃ可愛い!!”


”美男美女ってかんじ?”



彼女じゃないし、美人じゃないから!!


「椎が可愛いから、皆振り向いてるよ?」


・・・ここに馬鹿が一人いた。


仁、あなたは馬鹿?


あなたに視線がいってるんだよ?