"ピーーーーーーーーーーー"




教室のスピーカーからスタートのチャイムが鳴る。試験開始だ。

まわりはほとんど3年生の男子生徒みたいだ。…気にしない気にしない。

カチャカチャと、まわりが準備に入る音を聞き流し、緊張気味に背中を伸ばして座る協力者さんの横にしゃがんだ。



「失礼ですが、お名前は?」

「瀬尾(セオ)ですが…」

「瀬尾さん。今日は…何か希望ありますか?」

「希望ですか…。」

「じゃあ、髪の毛短くしてもいいですか?」