ファミレスで食事を済ませた私は、陽子と一緒に駅前のゲーセンへ向かった。

いわゆるここが、私らの[いつもの場所]だ。

ゲーセンにはすでに見慣れた集団がたむろっていた。


「あー!瀬那っちと陽子っちー♪」


真っ先に私らに気づいたのは由香だった。

生理とか言ってたけど、意外と上機嫌だった。


「おーっす」


陽子は軽く挨拶をすると、ゲーセンへ入っていった。

またお得意の格闘ゲームでもするのだろう。


「遅くなってごめん。はいこれ」


私は由香に、先ほどの封筒を渡した。


「ん?あーはいはい!お疲れ様ー」


由香は封筒を受けとると、棒つきキャンディを舐めながら中身を数え始めた。


「10万円…上出来じゃん!今日はこれでカラオケオールしよ?」


由香が提案すると、周りの男連中は一斉に賛成をした。