「これ…」


女は封筒を差し出した。
私は黙って受け取る。


「……10万、ね、上出来上出来」


「やっほい!今日は大漁だあ♪」


私は狭いトンネルを抜けた。そのとき、後ろの女が呟いた。


「あんたたち、そんな生活続けてたら、一生幸せになれないね、カワイソ」


「………は?」


陽子が間の抜けた声を出す。


「どうせあんたらは煙草なり酒なり薬物なり…なんでも一通りやってるんでしょ?
おまけにカツアゲとか…今時流行らないわ」


「てめ…喧嘩売ってんのか!?」


陽子が女に飛びかかろうとする。

私はそれを押さえた。


「よしな、陽子」


「でも………」


陽子は明らかに怒りを見せていた。