「お、お願い!このことは誰にも言わないで!」


女は今まで以上に声を荒げ泣きじゃくる。


普段の気品高く振る舞うお嬢様のときのようなプライドは、すでに欠片もない。

間抜けな姿。


「だったら早く、もっと金よこしな、金」


陽子が女の髪をむんずと掴み、強制的に顔をあげさせる。


「お金はもうここには…」


「だったら家からとってこいよ」


「!!そんなの無理です!」


女の渋りに苛立ちを感じた私は、少し大きい声を出してわざとらしく言った。