「んで、どうしたの?」


『あー、仕事一段落したから、明日か明後日どっかに行こうかなって』


どうやらデートのお誘い。


「私は全然いいよ、なんならあとでそっち行く?」


『いや、カラオケでしょ?楽しんできな』


「そんなの途中抜け出せばいいし」


『…分かった。私今疲れてるし、寝てるかもだから、合鍵で勝手に入っていって。じゃ、また』


「はあい、それじゃ」


ピッ...


静かに電話を切る。


私と潤は付き合って1年ちょい、知り合ってからだと2年だから、もうだいぶ長い。

そんな潤と私には暗黙のルールがあり、緊急時以外は、潤が仕事のときは私は一切邪魔しない、代わりに私がツレと遊んでるときは束縛しないで遊ばせる、というもの。

そのせいで、潤の締め切り前となると二週間くらい会わないもしくは連絡無しというのもザラだ。

でもこのルールがあるからお互い適度な緊張感を感じることができるし、飽きないで今まで付き合ってこれたと思う。