そのとき、ズボンのポケットの携帯が鳴った。


「あ…潤だ」


「なーにー?彼女?」


ニヤニヤとわざとらしく由香が言う。


「うん、なんか電話ほしいらしいから電話してくる」



「はーい」


私は少し離れた路地裏で潤に電話をした。



原川潤…私の彼女だ。

元モデルで、引退した現在は小説家をしている。

潤は私の元彼の姉で、初めて家に行ったとき、一目惚れをしてしまったのだ。

潤はレズビアンで、私はバイセクシャル(両性愛者)、恋人になるのにそう時間は長くならなかった。