「しょうがないなぁ…」 はい、とノートを渡してくれた沙羅。 「ありがとう」と受け取り自分の席に戻って2限目の美術の準備をしようとした時だった。 「坂口さん」 後ろから声をかけられ、振り返ると 「元気?」 制服のポケットに両手を突っ込みながら、あたしを見ている大輔くんがいた。