そうだよね。
沙羅がそばにいてくれる。
あたしは、1人じゃない。
だから、きっと大丈夫。
「ありがとう。沙羅」
「うん」
微笑み合うあたし達の髪を、窓から吹き込んできた朝の光を帯びた風が優しく撫でた。
それに、もしかしたら大輔くんだって、本当は何も変わってないのかもしれない。
どんなに外見が変わっても、きっと、本当は何も変わってないのかもしれない。
また、今度会えた時は、勇気出してケータイの番号聞いてみようかな…。
そんな事を考えていたら、青ちゃんがチャイムと共に教室に入ってきた。
「みんなぁ、席に着けぇ」
青ちゃんが来て、自分の席に戻っていく沙羅やクラスメート達。
それまで賑やかだった教室が静けさに包まれた頃
「えぇー今日は転校生が来ている」
青ちゃんの言葉で、再び教室は一気にザワツキ始めた。