「バイバイ」


そう呟いて高津くんの隣を通り過ぎた。


高津くんは、高津くんの幸せを掴んでほしい。



優しい高津くんだから。



あたし以上にいい人がいるから。


あたしより、高津くんにピッタリな人がきっといるから。



「ありがとう」



そうポツリと呟いたあたしの腕…



「待てよ…」



ガシッと、高津くんの力強い手のひらが掴んだ…。