「りかちゃん…」


俯いた、あたしの耳に聞こえてきた悲しげな声。




「ごめんなさい…」





そう言って、頭を下げた。


教室の窓からは、グラウンドから聞こえてくる野球部の声。


廊下には、楽しそうに話す女の子達の話し声が響いている。


まるで、高津くんとあたしの時間だけ止まってるみたいで


あたしはその時間を無理やり動かしたくて、一歩前に足を踏み出した。



甘えてはいけない。

そう心の奥で何度も呟きながら。