雨の音は疎ましく、やがて私は笑い始めました。 近隣の迷惑も顧みず、部屋をぐるぐると転がり、目に付いた薬を飲んで更に笑っておりました。 端から見れば気狂いの領域でありましたのでしょうが、私には何も残っていないので、そのように見えても仕方がありません。 私の全ては彼の香で満たされているものですから。 「悔しい」 あの時やはり殺しておけば、この様な目にはきっと遭わずに済んだ話なのです。