貴方は用意しておりましたミルクティを、緊張している私を尻目に悠々と飲み、煙草に火を点けられました。
それから、学校にはいっているのかと聞かれましたので、私は首を横に振りました。
「不良娘」
しかし怒りはせず、笑っておられるので、私もつられて笑いました。

沈黙は緊張を呼びます。
事前にテレビを点けていたのが幸いしておりました。
画面を観る振りをしながら貴方を盗み見る事が可能です。
お世辞ではなく、誠に端正な顔立ちをなさっており、何故私のような女を構っているのかが不思議ではありますが、それを聞いてしまうのはいけない事に思えて、いつも喉に出かけては引っ込めるを繰り返しています。

所詮遊びでも、私には大切な、かけがえのない人なのです。

何より、その匂いが、私の全てを満たしている、と言っても過言ではありません。

「今日は、泊まっていくの」

ああ、いけない、少し甘えた声になってしまった。

貴方は私を見て、少し考える様に目を細められました。

「…明日は、朝から学校がある」