「え?」

「他は蹴られたりしてねぇのかよ。」

「しテませんよ!?」

嘘をつくのが下手な私は・・・・私のばかぁ~!!なんでこのくらいの可愛い嘘をつけないのよ!!

「他どこ蹴られたんだよ。」

もう確信めいた喋り方をする碓井先輩は私の嘘を見破ってしまってるようだ。

「えっと・・・お腹とか背中とか?」

「ちっ」

こわいこわい!!だめですよ!!ボコるとか!女の子なんですからあの人たちは!!

「それで全部か?」

「ふぇっ?」

私の方に戻ってきた碓井先輩の顔は完全に怒ってて・・・

「それで全部か。」

碓井先輩は救急箱を開けながら私を見つめる。

「はい。」

私は素直にコクコク頷くとそうかって言いながら救急箱の中をいじる。

「少し冷たいぞ。」

「へ?・・・ひゃっ!」

すねの部分がひやっとする。

碓井先輩がシップをはってから救急箱から包帯を取り出す。