私は何も言い返せずパニック状態になってると、

「うそうそ、」

岸谷先輩はニッと笑ってまた歩き出す。

多分・・・いや、絶対岸谷先輩は負けず嫌いな性格だ・・・。

私は鼻歌を歌いながら先を歩く先輩の後ろ姿をボーっと見てると、

「なに、突っ立ってんだよ。」

「ふぉっ!?」

突然かけられた声にびっくりして後ろを振り返ると、碓井先輩が私を見下ろしていた。

もうっ!碓井先輩はいっつも気配を消しながら現れるんだから!そのたびに私の寿命が縮まるっ!!

「・・・なに、睨んでんだよ。」

碓井先輩は少し不機嫌な顔になる。

「べっ、別にっ」

私はすぐに視線をそらして歩き出す。

碓井先輩もそのあとについて歩き出す。

それから少し歩いて学校のグラウンドに着いたときに、

「じゃあ、私は着替えてから行きますねっ!」

私がそう言うと岸谷先輩は振り返って笑いながら、

「わかった、じゃあ俺らは先体育館行ってるな?」

そう言って手を振りながら歩き出す。

・・・さっきまでの小悪魔っぷりは皆無だなぁ・・・