遠くからだからよく見えないけど・・・

めっちゃあくびしてるよ・・・

「ぅえっ?」

その人は私に気付いたのかこっちに近づいてくる。

どうすればいいかよくわからなくなった私はただただ歩いてくる人を見つめるだけしかできなかった。

「・・・・・」

近づいてきた男の人の顔を見た瞬間思わず口が開いた。

「・・・ん、どしたの?」

私は今まで完璧に顔が整った人なんか見たことがなかったから・・・・

そのひとはとてもきれいで男の色気を漂わせた黒髪のはえる男の人だった。

私は口をぽかんと開けたままその人に見惚れる。

男の人はどうも眠いらしく目がちゃんと開ききってない。

「なんでここに新入生がいるん?」

質問を私からバスケをしていた人たちにかえる。

「俺が呼んだ。」

その質問に答えたのが拓未とかいう人だった。

「ふぁぁ・・・彼女?」

!!!

か、かのじょ!?

「ち、違います!!」

私は両手をブンブン振って否定する。

それを見た眠そうな男の人は少し目を丸くしてそしてフッと笑って、

「やて、拓未。」

意地悪な笑顔で拓未という人に話かける。

「別に、」

そう言いながらそっぽを向く碓井拓未

「?」

主語なし会話についていけない私は頭の上にはてなマークを出していると、

「あぁ、ちょうどえぇ。」

そう言いながら黒髪の男の人は私のほうに向き直り、

「君、マネージャーせん?」

・・・はい?

「えっ・・・と?」

よく状況が理解できない私は返す言葉がみつからない。

「あ、でも、無理にとは言わん。自分で考えとって。」

「・・・あの、」

「ん?」

どうして・・・

「なんでわたしなんですか?」