岸谷先輩は中村先輩を指差しながら困った笑みを見せる。

そんなぁ・・・

「そんなに俺の名前呼ぶの嫌?」

中村先輩は少し悲しそうな顔をしながら首をかしげる。

「いやっ!そういうことじゃなくて~・・・」

私は目線を下に落としながら目を泳がせる。

「なくて?」

中村先輩のこえが急に近くなる。

その声は少し笑みを含んだ声。

「その・・・恥ずかしいというかですね・・・」

私はもごもごしながら言葉を頑張って探す。

「・・・え、そんなこと?」

中村先輩は拍子抜けしたような声を出す。

「そんなことって・・・!!」

私は思わず顔をバッとあげる。

「私には結構重大な・・・」

私は人差し指をちょんちょんしながら中村先輩を上目遣いで見つめる。

「っ!」

すると中村先輩は少しびっくりしたような顔をしながら

「その顔は反則だよ、まなちゃん・・・」