「よし。」

そう言って手に取ったのはピーチの飴。

どうやら私の意見を参考にしてくれたみたいだ。

「いただきます。」

そう言って岸谷先輩は飴の袋を開けてひょいっと口に運ぶ。

少しだけ口の中で飴をころころ転がした後に口を開く。

「んまいねぇ。俺これ好き~。」

先輩は顔を少し綻ばせながらまた口の中でころころしてる。

「よかったぁ~!私もこれ好きなんですよ!!」

私も何だか少し罪悪感から解放されたみたいで私もほほ笑む。

「い~な~!!じゃあ俺、ブドウ味食べたい!」

先輩は私に手を伸ばしてパタパタしてる。

「あっ、はいっ」

私はポッケに入れた飴を取り出す。

すると、碓井先輩は、

「馬鹿正直にやらなくていいんだぞ。」

そう言いながら碓井先輩は中村先輩の頬をつねる。

「太るぞ、猿。」

「ぶっ!!」

私は思わず吹いてしまい慌ててその口をふさぐ。

「っ!笑ったぁ!!」

中村先輩は涙目になりながら私をわなわなと指差す。

「ごめんなさ・・・っっっ」