「なんで水なんです?」

すると岸谷先輩はコップをカチンッとかみながら目を私の方へ向けて、

「いいのがなかった。」

そう言って水を一口、口の中に含む。

「まぁ・・・麗も甘いの無理だしね・・・」

中村先輩は自分の手をさすりながら起き上がる。

「なぁぁ~んでゆってくれないんですかぁ~!!」

私はなんだか申し訳ない気持ちで半泣き状態でいると、

「いや、俺はもともとなんも食う気なかったし・・・。」

「別に、拓未みたいに甘いもの全部無理!とかじゃないし・・・飴は大丈夫だったっけ?」

「そうそ。」

岸谷先輩はコップから口をはなして私の方を見る。

「っあ!飴もってますよ!」

そういうと岸谷先輩は、

「なに?くれるの?」

と言ってニッと笑う。

「ピーチとブドウどっちがいいですか!?」

すると岸谷先輩は少し意外そうな顔をして、

「ほんまにくれるんやね・・・」

「どっちがいいですか?」

岸谷先輩は二つを見比べてから私の方を見る。

「どっちがお勧め?」

「え~と・・・私はピーチかなぁ?」

「・・・・」

岸谷先輩は私からまた飴の方へと目線を向ける。