「おぉ、結構うまいな。」

岸谷先輩がそういうと中村先輩は岸谷先輩に飛びついて、

「俺もほしい!!」

中村先輩は目をキラキラさせながら頂戴アピールしてる。

「武・・・近い。」

岸谷先輩は眉をひそめながら少し体を後ろにずらす。

「くれたら離れてやるよ。」

中村先輩はニッと笑いながらまた岸谷先輩にズイッと近づく。

「そんな近づかんでもやるって。」

岸谷先輩は自分と中村先輩の間にペットボトルをはさんで中村先輩につき渡す。

そのせいで少し後ろにさがった中村先輩は、

「ありがとぉ~!!」

と言いながらかなり多めに飲んだ。

「・・・飲みすぎやろ。」

先輩は怒るを通り越して呆れてる。

「俺も頂戴。」

私の横にいた碓井先輩は中村先輩に向けて手をひらひらしてる。

「プハッ、おいしかった~」

中村先輩はやっとペットボトルから口をはなす。

スポーツドリンクはあと数口分くらいしか残ってなくて岸谷先輩はそれを見て、

「もう全部飲んでええよ。」

ため息をつきながらそういう。

「お、ラッキー」

碓井先輩は残り少しのジュースを全部飲み干す。

碓井先輩は飲みほしてから何かに気付いたように岸谷先輩の方を見て、

「お前、帰り体持つのかよ?」

それを聞いた岸谷先輩はキョトンとしてから空をあおいで、

「・・・・無理かも・・・」

サラッと言いのけた。