「え・・・あぅ・・・」

私は、あわあわしながら目を回す。

「俺が・・・何?」

先輩はさっきとはうって変わって真剣な表情で私を見つめる。

「っっ~な、なんでもありません!!」

私は自分の前で両手をブンブン振る。

「・・・そっか、」

そう言って先輩はまた前を向く。

・・・怒ったかな・・・?

私は少し心配になって中村先輩に声をかけようとすると、

「あ、」

中村先輩は前を向いたまま口を開いた。

「?」

私は中村先輩の視線の先をたどると、心底疲れた表情の岸谷先輩がこちらにやってくる。

「ただいま~・・・」

そう言いながら岸谷先輩は地面にあおむけに倒れる。

「えぇぇ!?だ、大丈夫ですかぁ岸谷せんぱ~い!!」

私は岸谷先輩を見下ろすようにして座り込む。

「んぁ?あぁ~大丈夫大丈夫、疲れただけやし。」

岸谷先輩は眠そうな顔をしながら私を見つめる。

「遊びすぎだよ、ばか。」

そう言いながら私の横に立って呆れた顔をしているのは碓井先輩。

「しゃーないやろ、みんないじめるの楽しいんやもん。」

そう言いながらムクリと起き上がる岸谷先輩。