「拓未は何にもしてないもんねぇ~?」

中村先輩はにやにやしながらプププと笑っている。

「お前らが持ってったんだろ。」

碓井先輩は馬鹿にしたようなそれで呆れているようにため息をつきながらそっぽを向く

「ははっ、確かに。」

中村先輩は苦笑しながら碓井先輩とは反対側の私の隣に座る。

中村先輩はみんなが練習してるのを見ながら、

「あ~ぁ、麗、みんないじめてるよ~」

中村先輩は楽しそうに笑ってる。

私もみんなが練習している方を向くと・・・

「・・・あれ・・・何対何でやってます?」

「ん?あぁ、あれね、麗対8人でやってんの。」

・・・1対8って・・・

「でも、今麗、圧勝だよ。」

中村先輩はけらけら笑いながら点数表の方を指差す。

私も中村先輩が指差す方をみると・・・

38-0・・・

「え・・・?どっちがどっちの点数ですか?」

「信じらんないよね~38点の方が麗だよ。」

・・・どえぇぇぇ!??

は、八人相手で1点も入らないなんて!!

え!!?みんな弱すぎない!?

そんな失礼な事を考えていると、

「あれは麗が凄すぎるんだよ。天才だからね。」

そう言いながら先輩は悔しそうにでも楽しそうに笑いながら、

「俺も勝てないよあいつは。」

「えぇ!?あんなに凄いのに!??」