中村先輩はいつもの明るい顔に戻って私の方に向きなおってこちらに向かって走ってくる。

「どうだったっ!?」

中村先輩は私の目の前に綺麗で可愛い顔を近づける。

「っっ・・・・」

あまりに近くてそれにすっごいキラキラしてたから私の顔は熱くなる。

「えっと・・・」

私は目を回しながら返答に困っていると、

「お前、そのくらいにしてやれ。」

中村先輩の後ろから顔をのぞかせたのは碓井先輩で、呆れた顔をしている。

「へ?何が?」

先輩は顔だけを碓井先輩に向けて質問している。

でも距離は全然変わってなくて、先輩の首筋が目の前にある。

「・・・っあのっ・・・近い・・・」

私はこの距離に耐え切れずに頑張って声を絞り出す。

「ん?」

先輩はまた私の方に向き直って私を見つめる。

私と自分との距離に気付いたのか中村先輩は顔を赤くしながら、

「ぅわっ!!ごっ・・・ごめっ!!」

バッと私から離れる。

「いえ・・・えっと、すごくかっこよかったですよ!」

私はそう言いながら笑うと中村先輩はパァッと表情を明るくして、

「ほんと!?よっしゃ!」

そう言いながら先輩はガッツポーズをとる。

そんな小学生みたいな中村先輩を見て私は思わず微笑む。

すると中村先輩の後ろにいた碓井先輩は大きなあくびをしながら私の隣にドカッと座る。

「あ、なにか飲み物要ります?」

「いや、いい」