「真奈ちゃん。大丈夫?」

お腹を押さえながら起き上がった私を心配そうに見つめるのは、中村先輩。

「なっ、武先輩!」

「やっ!飯食ったから来た~」

ニッと笑う中村先輩の姿はやっぱり私服。

大きめの裾が折れてるジーパンに明るめのオレンジ色のTシャツに黒いジャケットを羽織っている。

他の先輩たちとは違って中村先輩の私服は派手。

でもまぁ、それが中村先輩らしいなぁ。

そんなことを思いながらボ~っとしていると、

「真奈ちゃん?ほんとに大丈夫?」

そんな私を心配そうに覗き込む中村先輩に私はニコッと笑いながら、
 
「はい、ありがとうございましたっ」

「いいよ、いいよ、んで?麗、どんな感じ?」

中村先輩は私から岸谷先輩の方に顔を向ける。

「ん~・・・」

苦笑しながらそう言う岸谷先輩の手には私の答案用紙。

「おいで、」

岸谷先輩は机に答案用紙を置きながら私に手招きする。

「西野サンは、暗記は結構できるんやね?」

そう言って私に見せたのは社会と理科の答案用紙。

「75点と80点・・・」

おぉ~・・・、よかった。

「でも、暗記以外は苦手みたいやね。」

そう言って私の目の前に二枚の答案用紙を差し出す。

国語と英語・・・