私は玄関に入って、

「おじゃまします・・・」

小さくそう言うとリビングのドアが開いてそこから奥様が顔を出して、

「いらっしゃい。どうぞあがって?」

ニッコリほほ笑む。

「あっ、はいっ」

私は急いで玄関の靴を揃えて奥様の方に一礼してから階段を上がる。

・・・ふぅ~・・・緊張するなぁ・・・

私が一息つくと碓井先輩が顔だけ振り返って、

「なんで緊張してんだ。」

呆れた顔をしながら溜息をついてる。

「う・・・ちょっと、人見知りなだけですっ!」

私は焦りながらそう言うと碓井先輩は、ハッと笑いながらまた歩き出す。

そのまま碓井先輩が自分の部屋のドアを開けると、

「・・・」

碓井先輩のベッドの上に誰か倒れてる・・・てゆうか・・・

「何やってんだ、麗。」

私はその碓井先輩の言葉で確信を持った。

「・・・疲れた・・・」

うつぶせになって枕に埋もれてる岸谷先輩の声は籠もってて聞こえにくい。

「勉強会やんぞ。」

「ん・・・」

岸谷先輩はそう返事しながらゆっくり起き上がる。