校内にある自販機のところに行くとその自販機の前に先輩らしき姿があった。

チラッと見えたネクタイの色からして多分3年生。

「チッ」

その先輩の姿を見た進藤君は舌打ちをしてから体を180度回転して私の手をとるとサッサと歩き出す。

「えっ、進藤君?」

私は進藤君の行動に驚きながらも手をひかれているので抵抗もできない。

「悠里じゃねぇか。」

後ろからかけられた声に進藤君は私の手を握ってる力に少し力を込める。

「どうした?それ、彼女?」

後ろからこちらに歩いてくる音がして私が振り返ろうとすると進藤君が先に振り返って私を自分の背中で隠す。

「違う。」

きっぱり言い放った進藤君の口調はとても冷たい。

いつもと同じような口調なのに明らかに感情が冷たい。

「へ~、そうは見えないけどな~」

三年生は顎をあげて私を覗き込もうとするけどそれを進藤君は少し体をずらして見えないようにする。

私もよくわからないけど、とりあえず顔が見られないように進藤君の背中にぴったりくっつく。

「じゃあね。」

進藤君はそう言うと私の体を180度回転させて私の背中を押していく。