「あ~ぁ~、想像通りですいませんでしたねぇ」

中村先輩は少し拗ねた風に言うと口をとがらせる。

「そう言えば・・・」

突然口を開いた碓井先輩のほうに振り返ると碓井先輩は私をジッと見つめてて、その視線に少しドキッとして、

「な、なんですか?」

一歩後ずさると碓井先輩は私から岸谷先輩に視線を移して、

「どうすんだ。」

「あぁ~、どうしよっか?」

主語なし会話が始まってしまった。

私は話の内容がつかめないまま大人しく聞いていると、

「さすがに俺んち泊まりはきついでしょ。」

「俺の家も嫌だよ~」

「話になんねぇ。」

それぞれがいろんな意見を出していて余計わからない・・・

「今日も拓未ん家駄目?」

そう言って首をかしげる中村先輩を見ながら碓井先輩はすっごい嫌そうな顔をする。

「めんどくせぇ」

そう吐き捨てる碓井先輩に岸谷先輩は、

「そうかぁ、じゃあこのまま勉強するところが見つからないと合宿いけないかもなぁ・・・」