体育館に入ると岸谷先輩に向けて部員たちが『おはようございます。』とちらほら挨拶をしている。

「ん、おはよぉ~」

岸谷先輩はそれに気の抜けた返事をしている。

「まっなちゃああああああん!!」

「ひゃあああああ!?」

いきなり後ろから抱きついてきた中村先輩に私は体を飛びつかせながら叫ぶと部員の人たちがちらちらとこちらを見ていて私は恥ずかしくなってうつむく。

「ひっさしぶり~!!」

中村先輩はそんなのお構いなしに大声で私をブンブン振りまわす。

気持ち悪い・・・

あんまり振りまわすから気持ち悪くなった私は軽く吐き気をもようしていると、

「武。西野死にそう。」

いつの間にか現れた碓井先輩は中村先輩の腕を掴んで振りまわされるのを止めてくれた。

「えっ、あっ、ごめん真奈ちゃん!」

中村先輩は私から手を急いで離す。

「い・・・いえ・・・」

弱々しく返事をすると、中村先輩は私を覗き込みながら心配そうな顔をしている。

小悪魔だ・・・

岸谷先輩はそんな私を見ながらクックックッて笑ってる。

悪魔だ!

そんなことを思ってると中村先輩はほんとに申し訳なさそうな顔をしてるから、

「だ、大丈夫ですよ・・・?」