私はお兄ちゃんと向き合う形で座ると、

「どうしたの?」

「・・・・」

お兄ちゃんはしばらく考えてから口を開いた。

「あの人は・・・借金つくってて・・・俺のとこによく金をもらいに来るんだ・・・」

「えっ!?」

おじさんが借金をつくってるのは知ってたけど・・・お兄ちゃんのところに来てるのは初めて知った。

「いっつも帰れって追っ払ってんだけど・・・今度は真奈にも・・・被害があるかもしれない・・・」

「・・・」

「真奈は女の子だし。何されるかわかんない・・・」

お兄ちゃんは凄い悲しそうな顔をして私を見つめる。

「学校に来るかもしれない・・・だから、出来るだけ一人にはならないで・・・」

お兄ちゃんは泣きそうな声でそう言う。

「なんだっ!なら大丈夫だよっ!」

「へ?」

私が明るくそう言うとお兄ちゃんは素っ頓狂な声をだす。

「私、こないだの事があってから送り迎えは部活の先輩にしてもらってるの!だから大丈夫だよっ!」

お兄ちゃんの不安を振り払おうと明るく言うとお兄ちゃんは少し不安そうに、

「ほんと、大丈夫なのか?」

「もうっ!心配性だなぁお兄ちゃんは!大丈夫だよっ、」

私がそう言うとお兄ちゃんは少しほっとしたような顔をして、

「そうか・・・」

そう言った後にパッと笑顔に戻って、

「じゃあ・・・・あ・・・」

お兄ちゃんは何か言おうとしてピタッと止まる。