そう後ろから聞こえたと同時にお兄ちゃんがバッと振り返って、

「二度と俺たちに近づくな!!」

そう大声で叫ぶ。

私はお兄ちゃんの大声にビクッと震えて、お兄ちゃんを見上げると、今まで見たことのない・・・・お兄ちゃんは怒ってた・・・

「お~お~、こわっ、」

そう言ってそそくさと私たちの視界からいなくなったおじさん。

お兄ちゃんは私の手を握ったまま、歩き出した。

「お兄・・・ちゃん?」

私はおそるおそる声をかけると、

「ごめん・・・こわかったろ・・・」

そう言ったお兄ちゃんの声は震えてて・・・

「どうしたの?」

私がそう聞くとお兄ちゃんは苦虫噛み潰したみたいな顔をして、

「・・・帰ってから話すから。」

それだけ言ってお兄ちゃんは車に乗り込んだ。

そこから家まで、おしゃべりなお兄ちゃんはなにも話さなかった。

家に帰るとお兄ちゃんはソファに溜息をつきながら座る。

私はお兄ちゃんにコーヒーを出すと、

「ん、ありがとう。」

無理やり作った笑顔を私に向ける。