「ん~、おいしいねぇ!お兄ちゃんっ」

「・・・・」

・・・無反応?

お兄ちゃんはボ~っとしたまま動かない。

「・・・お兄ちゃん?」

「ん?あぁ・・・何?」

「いや、とくに大した内容じゃないんだけど・・・どうしたの?ボーっとして・・・」

お兄ちゃんは笑いながら、

「いや、ごめん。ちょっと考え事をね?」

そう言うけど・・・お兄ちゃん、顔が笑えてない・・・

なにか、あったのかな・・・

「お兄ちゃん・・・何か、あったの?」

私は恐る恐るそう聞くとお兄ちゃんは苦笑しながら、

「っ・・・大丈夫。ちょっと、仕事で疲れてんのかも。」

「じゃあ、今日は早く寝なきゃね!」

そう言ってご飯を口に運ぶ私。

それをお兄ちゃんは優しく、そして少し悲しそうに見ていた。

私は、気づいてあげられなかった。

いつも元気なお兄ちゃんがなぜあんな悲しそうな顔をしていたのか。

そして私は知ることになる。

お兄ちゃんが今まで苦しんできたことを・・・・