岸谷先輩はそう言って碓井先輩と中村先輩の襟首を掴んで歩き出す。

そのせいで碓井先輩と中村先輩は後ろ歩きになりながら連行されてる。

「じゃあねぇ~!」

中村先輩は後ろ歩きのまま手をブンブン振ってる。

私も手を振り返して、先輩たちの姿が見えなくなるまで見送って、

「よっし、早く夜ごはん作らなきゃっ」

思考を切り替えて急いで家の中に入ろうとすると・・・

「あれ?鍵開いてる。」

お兄ちゃん、もう帰って来たのかな?

そう思ってリビングを開けるとエプロン姿のお兄ちゃんがおたま持って、

「おぉ、おかえり~」

ニッと笑ってる。

「あぁ~!私が夜ごはん作るつもりだったのに~!」

私はム~っと頬を膨らましながらそう言うとお兄ちゃんはピースマークをつくって、

「そう言うと思ったからつくってんの。」

フッと柔らかく笑ったお兄ちゃん。

・・・少し悲しそうな顔だったのは・・・気のせい・・・かな?

「うん、もうちょっとでできるから待っててね。」

味見をしながらお兄ちゃんは食器を取り出してる。

「私も手伝うっ!」