進藤君はため息交じりにそう言った・・・

「なにこれ!?お前の彼女!??」

「へぇ~かわいいじゃんっ」

そう言いながら私の手首を掴んで自分の方に引き寄せようとする。

「いっ・・・」

男の手首を掴む力が強くて私は顔をゆがませる・・・と

ゴッ!!

そんな音が上から聞こえた。

「ガッ・・!!」

私の手首を掴んだ男が急に倒れこんだ。

「えっ!?」

何が起きたのかわからない私は状況がよくつかめない。

「こっち」

そう言いながら進藤君はさっきの男と違って優しく手首を引っ張る。

「てめぇ!!」

もう一人の男が進藤君に殴りかかろうとする。

進藤君は私を自分の後ろに隠す。

「なめんなよ・・・」

そう言った進藤君の声はとても低くて・・・なんか・・・違う・・・

進藤君は殴りかかろうとした男のすきをついて下から思いっきりこぶしをつくった右手を振り上げて男の顎を直撃した。

「ぐがっ!」

男は軽く30センチは宙に舞った。

それから男たちはピクリとも動かなくなった・・・。

「し・・・んどう・・・くん?」

「・・・なに?」

進藤君はさっきと変らない態度・・・。

「・・・ごめん・・・こわかったろ・・・」

その声はとても消え入りそうな声で・・・

進藤君は苦虫を噛み潰したような顔をしている・・・。

「あれ~?」

この空気にはそうそう似合わない声がわりこんできた・・・どえぇぇ!??

私たちの間に入ってきた男はバスケ部のあの可愛い先輩・・・

可愛い先輩は下に倒れてる男たちを見て、

「ノシちゃったの?」