「西野、早く降りてこい。」

碓井先輩のイライラしたような声が聞こえて急いで降りたら、

「早くしろ。」

碓井先輩はもう靴を履いてて玄関のドアを軽く開けてる。

私は急いで玄関まで駆けて行って奥様の前で一礼して、

「お邪魔しましたっ。」

私がそう言うと奥様はニッコリ笑って、

「またいつでも来るのよ?」

手を軽く振っている。

私は奥様に何度も礼をしてると、

「早くしろや。」

碓井先輩のイライラしている声が聞こえる・・・すっごいイライラしてる声がする。

「はいぃ」

私はその低い声に気押されながら急いで靴を履くと、

「そんなイライラせんでもええやんけ。」

後ろから呑気な岸谷先輩の声が聞こえる。

それから、私は奥様にお礼を言って家を出てそして今ーーー・・・

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

・・・・とても、とても、気まずい・・・

碓井先輩は黙ったまま何も喋る気がないのだろうし、

岸谷先輩は眠いのか歩きながらコックリコックリしてる。

・・・てゆうか、岸谷先輩器用だな。これ完全に寝てるよね・・・