そんな光景をボーっと見てると机がトントンと叩かれる。

「お前はこっちに集中しろ。」

碓井先輩が少し不機嫌気味にそう言うから私は急いでプリントに目を落とす。

それからしばらく弟君がキャッキャッしてる声と岸谷先輩が『とっとと寝ろ。』って言ってる声が聞こえてたけど碓井先輩に監視されててうかつに顔をあげることができなかった。

「終わりました。」

横で進藤君が動くのがわかる。

でも、私は自分のテストに集中する。

「ん、見して。」

岸谷先輩が机の近くに帰ってきて進藤君のテストの答案見てる。

「・・・・」

それからまるつけしてるボールペンの音が聞こえて、

「ほぉぉ、意外と頭ええんやね。」

「はぁ、意外は余計ですけどね。」

・・・頭いいんだ・・・進藤君・・・

「・・・できました。」

私も終わったけど・・・かなり自信ない・・・

「ほい、貸して。」

岸谷先輩は私に手を伸ばしてテストを受け取る。