碓井先輩は目を泳がせながら考えてる。

え、普通去年の、しかも新入生テストなんて持ってなくない?

定期テストならわかるけど・・・

「待って。」

そう言うと碓井先輩は立ち上がって壁の方にあるクローゼットに歩み寄る。

そのクローゼットの中を少しゴソゴソいじってからあるファイルを取り出してパラパラめくってあるページでピタッと手を止めてそこから何枚か紙を取りだした。

「あった。」

あるの!??

碓井先輩はその何枚かの紙を机の上に置いてまた胡坐をかいて座る。

「ナイス~」

岸谷先輩はその紙をぺらぺら見て、

「ふむ、とりあえずこれやってみて。」

岸谷先輩は私と進藤君に一枚ずつ紙を差し出す。

「去年のテスト。これができれば多分大丈夫。全部で五教科だから一教科出来たら言って。」

そう言った瞬間に岸谷先輩は何かのせいで前のめりになった。

「麗お兄ちゃ~ん!遊ぼっ!」

弟君が後ろから抱きついて足をジタバタさせてる。

「はいはい。大人しく寝ろ。」

岸谷先輩はそう言うと弟君を担いでベッドにポ~ンと、投げる。

弟君はベッドの上にボスンと落ちて、少しキョトンとしてからまたキャッキャッと騒いでる。