奥様はクスクス笑ってる。

「もういいから、」

碓井先輩は奥様にそう言い放つと階段を上がっていく。

「ほら、あなたたちも上がりなさい。」

「「「おじゃましま~す。」」」

みんなは靴を脱いで階段を上がっていく。

「おっ、お邪魔しますっ!」

私はワンテンポ遅れて靴を脱ぐとみんなの分の靴も揃えて奥様にペコリと頭を下げる。

「お茶とお茶菓子。後でもってきてあげるわね~」

奥様はにこやかに笑いながら手を振ってくれる。

「ありがとうございますっ。」

私は階段の上から頭を下げると奥様はリビングに戻っていった。

そのまま振り返ろうとすると視界の端に何か蹲っているものが見えた。

「わっ?」

そこには男の子がヒックヒックしながら泣いていた。

「ど、どうしたの?僕。」

あまり子供と触れ合う環境がないため私はおどおどしながら声をかけるけど反応がない。

「なんで泣いてるの?」

「・・・・っく・・・ひっく・・・」

「えっと・・・」

「・・・・」

「・・・・」

「何してる。」