「あ、取ってきたんですけど、飲みます?」

「飲む飲む!!」

先輩はニコッと笑いながらはしゃいでる。

私は気付けなかった・・・

先輩たちが私の事を気にかけてるなんて、かけらも気付けなかった。

「ぷはっ、ありがと~」

中村先輩は一気にジュースを飲み干すと紙コップを返してきた。

私はそのコップを受け取ってから、

「他にいる人いますか~?」

少し声を大きくして練習中のみんなにも声をかけると何人かが動きを止めて、いる~、て手を挙げてる。

「えっと、えっと・・・」

人数を一生懸命数えながらビニール袋からコップを取り出してると私の前に影ができる。

「手伝ったげる。」

そんな言葉とともにコップにジュースを注いでいる音がして、私は顔をあげると岸谷先輩が手伝ってくれてる。

「ありがとうございますっ」

私はそうお礼を言うと岸谷先輩は作業を続けながら、

「ど~いたしまして。」

柔らかく笑う。