息を整えながら中村先輩を見上げるといつもの笑顔に戻ってて・・・

「意地悪だ・・・」

ボソッと呟くと中村先輩はニッと笑って私の頭をポンポンっと撫でる。

「ほら、暗くなるから早く帰ろ?」

そう言って私の横を歩く中村先輩の横顔はとても楽しそうだった。

そこから少し歩いたところで私は立ち止まる。

「ここです。」

「ん、家に入ったらちゃんと鍵閉めるんだよ?」

中村先輩はそう言いながら手を振る。

「もうっ、子供扱いしないでくださいっ!」

頬をプ~っと膨らましてると、中村先輩はけらけら笑いながら、

「ははっ、じゃあまた明日~」

そう言って逃げるように走り出す。

「あっ、ありがとうございました!」

中村先輩の背中にペコリと頭を下げると中村先輩は顔だけ振り返って、

「明日は、遅刻しちゃだめだよ~!」

手をブンブン振りながら走り去ってしまった。

「はぁ~・・・」

何だかドッと疲れが出てきた・・・