「うん、わかった。けどね、誰一人として『迷惑』だなんて思ってるやついないよ。」

その言葉に顔をあげるとぼやける視界の中で中村先輩が笑ってるのが見える。

「いや、てゆうかもともとね、俺らの部活そんなマネージャーがいるほど部員も多くないんだよね。」

「クビ・・・?」

また涙をぽろぽろ零しながらそう聞くと中村先輩は慌てて、

「あぁ~!!いや、そういう事じゃなくてっ!」

首をブンブン振りながら私の涙を人差し指ですくって中村先輩は苦笑しながら、

「実際、そんなに働かなくていいんだよ真奈ちゃん。ん~と、実はね、ほんとのところ癒しが欲しかったわけだよ俺らバスケ部は。」

「癒し?」

聞き返すと中村先輩はうんって頷きながら話を続ける。

「ほんと、馬鹿な話なんだけどね・・・男まみれだとなんか暑苦しいんだよ。で、マネージャーを募集しようってなって・・・」

そこで話を止めて少し不快な顔をしながら中村先輩はまた話しだす。

「マネージャーになりたいって女はどいつもこいつも俺ら三人の中の誰か狙いなんだよ。
それがウザくてさ、募集やめたんだよ。」