「やっ!お待たせ~!」

中村先輩が更衣室から出てきたのは10分後の事で、

「じゃあ、行こっか!」

中村先輩はニコニコしながら歩き出す。

「武。」

そんな中村先輩を引き止めた声は、

「麗。」

岸谷先輩がポケットに両手突っ込んでだるそうに立ってて。

「まかせた。」

そう言って片手あげてる。

「まかせろっ!」

そんな岸谷先輩にニッと笑いながら手を振ってる中村先輩。

「?」

何のことか理解できない私は首をかしげていると、中村先輩が私の手首を掴んで、

「早く帰らないと暗くなっちゃうよ!」

そう言って駆け出す。

私はそのまま中村先輩に手をひかれながら下駄箱に連れて行かれて、

「じゃあ、俺も靴履き替えてくるから待っててね。」

「あのっ!」