展示会の当日を迎えた


私達は胸を踊らせて、お客様が入るのを待っていた


思ってた以上にお客様の入りはよく、のばらさんもホッとしていた


そんな中、直田さんが様子を見に来てくれた


『どう?客の入りは』


『思ってた以上に入ってるかな。こんなので満足してちゃいけないんだけど…』


『自分にも厳しいね。入口でさ、うろうろしてる男いるんだけど、あれが花乃子ちゃんの彼氏?』


『晴彦が…?』


『すげえ図体でかくてさ、野球選手みたいな体型。晴彦っていうのか…』


『ああ!浜田さんだ、カフェのオーナーの彼氏さんよ』


私は慌てて入口に走っていった


『浜田さん!何うろうろしてるんですか』


『あ、本城さん!いや…その…こういうところ慣れてなくて…』


『カフェ好評ですよ。どうぞ入ってください』


私は笑いながら浜田を引っ張って、のばらさんの元に連れていった


のばらさんは、こんなとこにまで来てと軽く叱っていたが、嬉しそうだった


『美女と野獣…』ボソッと直田さんが囁いて、私は彼の頬をひねった


『痛いな。でもホントじゃん』


『理想のカップルなのよ。仕事や恋愛理解してくれるステキな彼氏なんだから』


大きな手でコーヒーカップを持つ姿は、野ばらにいる浜田さんだった