『俺、正直いうとヨリは戻ってほしくないんだ』


『どうして?』


『花乃子ちゃんを俺のものにしたいからさ。俺達いいパートナーになれると思わない?』


私は食べる手を止めて、直田さんを凝視した


『俺惚れやすいから。気にしないで。恋人とかって苦手だけど、花乃子ちゃん言ってるみたいな仲にはなれると思うんだ。どう?考えてみない』


『そんな…急に言われても…』


『彼氏がダメなら俺にのりかえればいいだけの話しさ。簡単だ』


『ダメ、ダメ!あくまで直田さんは成宮部長の息子さんなんだもん。それ以上考えられない』


『また親父?俺拗ねちゃうよ?そんなに頼りないイメージなのかな』


『そうじゃないけど』


『俺は親父とは仕事で張り合ってるつもり。それは親父も認めてるし、仕事上では他人だよ』


『二人は気付いてないかもしれないけど…顔も、強引な性格もそっくりよ…』


『そうなの?』


『だからこうやってタメ口きくのも冷や冷やものよ』と私は笑った


『参ったな…俺と飯食ってても親父とダブるわけか』と直田さんは苦笑いをした