多分親父は他に女が出来たんだと思う。




親父が女と歩いてるのを、恭太郎が見た。




今もその女といるのだろうか。




母は今も親父が帰って来ると信じている。




母に真実は言えない。




だから三人で決め、母には親父の事は話していない。



母が退院する事は望めそうにない。




だから母にこれ以上辛い思いをさせたくなかった。




母が本当はお金持ちの生まれだなんて知らなかったんだ。



病院へ母の実家の使用人が訪ねて来た時、




母は狂ったようにその男を拒んだ。




その男が置いて行った封筒の中には、100万が入っていた。




母には返すように言われだが、俺たちはその100万を母の入院費に使った。