「瑠璃華何も知らないだろうけど、村井が何で瑠璃華の執事になったのか。」




「あぁ言っちゃう訳ね、俺は知らないよ。恭太郎止めなよ。」




「俺はどうでもいいんだ、それより早く帰りてぃ。」



私も帰りたい。




もうこれ以上何も聞きたくない。




隆太郎が近づく。




「村井は瑠璃華の許嫁だ。」



許嫁?




「親同士が決めた許嫁が村井なんだよ。村井はその事を承知の上で瑠璃華の執事になった。村井は死んだ彼女が忘れられないのに、金の為に瑠璃華との結婚を選んだ。」



そんなの嘘だ。




村井はそんな人じゃない。




一人ぼっちの私といつも一緒にいてくれた。




眠れない時はずっと手を握ってくれ、




好き嫌いが多い私の為に、毎日美味しい物を作ってくれた。




村井が私を騙すはずがない。